私は、いわゆる就職偏差値が高いといわれる大企業で働いています。
周りには難関大学出身者だけでなく、有名大学の体育会でキャプテンを務めた人や、学生時代に華々しい実績を残した人が数多くいます。
入社前の私は、「体育会のキャプテンをやっていた人は、きっとメンタルがものすごく強いんだろう」と思っていました。
しかし、実際に20年近く一緒に働いてきて感じたことは、少し違いました。
体育会で鍛えられる強さと、会社で求められる強さは違う
これまで私は、学生時代に全国レベルで活躍し、キャプテンまで務めた人が、仕事で大きく落ち込み、心が折れてしまう場面を何度も見てきました。
もちろん、それはその人が弱いという話ではありません。
むしろ、それだけ真剣に仕事へ向き合っていた結果だと思います。
そこで気づいたのは、体育会で培われるメンタルの強さと、会社で求められるメンタルの強さは、少し種類が違うということです。
スポーツは「正面から戦う」世界
体育会では、厳しい練習に耐え、試合で勝つために努力を積み重ねます。
苦しい場面でも諦めず、仲間と励まし合いながら前に進む。
こうした経験は、間違いなく大きな財産です。
だからこそ、多くの企業が体育会出身者を高く評価するのでしょう。
会社では「答えのない戦い」が続く
一方、会社では少し事情が違います。
努力すれば必ず評価されるわけではありません。
理不尽なこともあります。
正解がない仕事も多く、社内調整や人間関係、組織の事情など、自分ではどうにもできないことも少なくありません。
時には、自分の信念とは違う判断を求められることもあります。
こうした環境では、「根性」や「我慢強さ」だけでは乗り越えられない場面があります。
本当に必要なのは「折れないこと」ではない
会社で長く活躍している人を見ていると、共通点があります。
それは、一度も心が折れない人ではなく、折れても立ち直る人です。
落ち込むことは誰にでもあります。
重要なのは、気持ちを切り替え、また前を向いて歩き始められること。
この力は、スポーツで培われる精神力とはまた少し違う能力なのかもしれません。
最後に
私は体育会出身者を否定したいわけではありません。
実際に、尊敬する体育会出身の先輩や同僚はたくさんいますし、彼らから学ぶことも数え切れないほどありました。
ただ、「体育会だからメンタルが強い」「キャプテンだったから何があっても大丈夫」というのは少し違うのだと思います。
会社で求められるメンタルとは、困難を耐え抜く強さだけではありません。
状況に応じて考え方を変えたり、人に頼ったり、失敗を受け入れたりしながら、何度でも立ち上がる力。
それこそが、社会人として本当に必要な「メンタルの強さ」なのではないかと、私は20年近く会社で働く中で感じています。

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