生成AIの進化と会社への浸透が、いよいよ新しい段階に入ってきたと感じています。
私が勤めている会社はいわゆる「JTC」で、新しい技術や働き方が一気に広がるタイプの会社ではありません。
それでも2026年に入ってから、社内で生成AIを活用しようという機運が明らかに高まってきました。
今回は将来振り返るための記録も兼ねて、2026年9月時点における、私の身の回りでの生成AI活用の現在地をまとめておきます。
「個人で試す」段階から「会社として導入する」段階へ
当社で生成AIの利用が本格的に始まったのは、2026年に入ってからです。
最初はCopilotに個人で質問する程度でした。
分からないことを聞いたり、文章のたたき台を作ってもらったりする、いわば少し便利な検索ツールの延長のような使い方です。私自身も当初は、そのような形で利用していました。
ところが、ここ最近は明らかに空気が変わってきました。
社内では、すべての部署から代表者を出してAIの勉強会を開催しています。
また、一部の担当者には、ノーコードでAIを業務に組み込めるサービスも提供され始めました。
全社員が自由自在にAIを使いこなしているわけではありません。それでも、「興味のある人が勝手に試すもの」から「会社として活用方法を考えるもの」へと位置づけが変わったのは大きな変化です。
非常にJTCらしい当社でも、いよいよ生成AIの本格導入が始まった。
2026年9月の現在地を一言で表すなら、そんな状況だと思います。
私の仕事も「自分でゼロから作る」ことが減った
私自身のAI活用も、この数か月でかなり進みました。
特にChatGPTのAstraが登場した前後から、AIに任せられる仕事の幅と完成度が一段上がったと感じています。
同時にCopilotの利用頻度も増え、今では日常業務のさまざまな場面でAIを使っています。
例えばExcelでは、必要な関数や表計算の組み方をCopilotに相談します。
以前であれば自分で関数を調べ、何度も試しながら作っていたものを、やりたいことを言葉で伝えて組み立ててもらえるようになりました。
資料作成も、基本的には白紙の状態から自分で作り始めません。
まずCopilotやChatGPTに構成やたたき台を作ってもらい、それを自分が修正する形に変わっています。
メールについても同様です。
特に長文メールは、キーボードですべて入力するのではなく、ディクテーションで話した内容をAIに整理してもらっています。
頭の中にある内容を話し言葉のまま出し、相手に伝わる文章へ整えてもらう。この方法だけでも、メール作成にかかる時間は大きく減りました。
そして、この記事自体も同じ方法で作っています。
私が話し言葉で伝えた内容をAIに整理してもらい、ブログ記事として読める形に仕上げてもらっています。
「AI活用について書いた記事そのものをAIで作っている」という事実が、今の変化を最も分かりやすく表しているかもしれません。
AI活用が、ついに人員計画へ影響し始めた
これまでも「AIによって仕事がなくなる」「ホワイトカラーの仕事が減る」といった話は、何度も聞いてきました。
ただ、どこか遠い未来の話にも感じていました。
少なくとも自分の会社で、すぐに人が減るという実感はありませんでした。
しかし、その認識も変わり始めています。
本店のコーポレート部門で働く人から聞いた話では、次期中期経営計画において、コーポレート部門の人員を約25%減らす方向性が示されているようです。
もちろん、現時点で大規模な解雇を行うという話ではありません。
当社の場合は、採用の抑制や退職による自然減を中心に、時間をかけて25%の削減を目指すようです。
それでも、「AIで業務を効率化しよう」という掛け声が、具体的な人員計画にまでつながり始めた意味は大きいと思います。
これまでは、AIを使えば仕事が少し早く終わるという話でした。
これからは、AIを前提にすれば、そもそも今と同じ人数は必要ないという判断が現実のものになっていきます。
AIによる雇用への影響は、未来予測ではなく、すでに会社の計画に織り込まれ始めている。
少なくとも私の周囲では、2026年9月がその転換点になりつつあります。
最初に減るのは「仕事」ではなく「採用」かもしれない
日本の大企業では、海外企業のように突然大規模なレイオフを行うケースは、まだ多くないと思います。
その代わり、まず起きるのは新卒・中途採用の抑制、退職者の補充停止、組織統合などではないでしょうか。
一人ひとりの仕事をAIで効率化し、人が辞めても以前と同じ人数を補充しない。その積み重ねによって、数年かけて組織を小さくしていく形です。
社員から見ると、明日突然仕事を失うわけではありません。そのため変化は穏やかに見えます。
しかし、会社全体で見れば、雇用の入口が狭くなり、ポストも減っていきます。
むしろJTCでは、この静かな人員削減の方が現実的なのだと思います。
AIを使う人と使わない人の差は、これから急速に広がる
現時点では、AIを積極的に使う人はまだ一部です。
同じ社内でも、毎日のようにAIを使う人もいれば、ほとんど触っていない人もいます。
ただし、会社がAI活用を前提に人員を減らしていくのであれば、「AIを使わない」という選択は徐々に難しくなります。
人が減った後も仕事の量が同じように残れば、一人当たりの業務量は増えるからです。
AIを使って仕事を減らせる人と、従来どおりすべて手作業で行う人。
その生産性の差は、今後ますます広がっていくはずです。
重要なのは、AIに仕事を奪われないよう抵抗することではありません。
AIに任せられる作業を切り分け、人間にしかできない判断、交渉、関係構築に時間を使うことだと思っています。
2026年9月は「実験」から「実装」への転換点
生成AIについては、技術の進歩があまりにも速く、半年後には今の常識が古くなっている可能性があります。
だからこそ、私は今後も定期的に、会社や自分の仕事でAIがどこまで浸透したのかを記録していきたいと思います。
2026年9月時点では、AIはまだ人間の仕事を完全に代替しているわけではありません。
一方で、資料作成、Excel、メール、情報整理といった日常業務では、すでにAIを使うことが当たり前になり始めています。
そして会社側も、勉強会やツール導入という「実験」の段階から、AIを前提とした業務設計や人員計画という「実装」の段階へ進み始めました。
AIによって人が減る未来は、ある日突然やってくるのではありません。
採用が少しずつ減り、退職者が補充されなくなり、AIを使って残った人が仕事を回す。
おそらくJTCでは、そのような静かな変化として進んでいくのでしょう。
数年後にこの記事を読み返したとき、2026年9月がどのように見えるのか。
「まだAI活用の初期だった」と感じるのか、それとも「この頃から本格的に会社が変わり始めた」と感じるのか。
今後も定点観測を続けていきたいと思います。

コメント