※本記事は個人的な投資記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
今回は、私が現在2,000株を保有している**ウェルネス・コミュニケーションズ(366A)**について書きます。
平均取得単価は1,037円です。
この会社に投資している理由を一言で言えば、
「健康経営という構造的な成長市場の中で、ストック型のクラウド事業を伸ばしながら、まだ株価に成長余地が残っていると考えているから」
です。
ウェルネス・コミュニケーションズという会社は、知名度だけで言えばまだそれほど高くありません。
ただ、事業内容を詳しく見ていくと、
- 健康経営という成長市場
- 健診関連の安定収益
- 健康管理クラウド「Growbase」
- SaaS的なスイッチングコスト
- 高い利益成長
- M&Aによる人的資本領域への拡張
という、個人的にかなり好きな要素が揃っています。
一方で、M&Aした「あしたのチーム」のPMIや財務面など、確認すべきリスクもあります。
今回は、ウェルネス・コミュニケーションズをなぜ保有しているのか、投資判断のポイントを整理します。
ウェルネス・コミュニケーションズとは?
ウェルネス・コミュニケーションズの主な事業は、大きく分けて、
健診ソリューション
と
健康管理クラウド
です。
健診ソリューションでは、企業に代わって従業員の健康診断に関する業務を支援しています。
例えば、
- 健診予約
- 医療機関との調整
- 健診結果の管理
- データ集計
などです。
一見すると地味な事業です。
ただ、全国に従業員を抱える企業からすると、健康診断の運営はかなり手間がかかります。
その業務を外部に委託できることには一定の価値があります。
しかも健康診断は毎年実施されるため、継続性の高いビジネスでもあります。
「健康経営」という追い風
私がまず評価しているのは、ウェルネスがいる市場そのものです。
近年、日本企業では、
健康経営
人的資本経営
従業員エンゲージメント
メンタルヘルス
といったテーマが重要になっています。
日本は今後さらに人手不足が進みます。
そうなると企業にとっては、
「新しい人を採用する」
だけではなく、
「今いる社員に健康に長く働いてもらう」
ことの重要性が高まります。
健康診断は法律上の義務だから仕方なくやるもの、という位置づけから、
人的資本を維持・向上させるための経営施策
へと変わりつつある。
私はこの流れは一時的なブームではなく、かなり構造的なものだと考えています。
つまり、ウェルネスのTAMは中長期的に拡大する可能性が高い。
ここが投資判断の第一のポイントです。
私が特に注目している「Growbase」
ウェルネスを見る上で最も注目しているのが、健康管理クラウドのGrowbaseです。
企業は従業員について、
- 健康診断結果
- ストレスチェック
- 面談履歴
- 長時間労働者の情報
- 健康関連データ
などを管理する必要があります。
Growbaseは、こうした情報をクラウド上で一元管理するサービスです。
ここが重要なのは、ウェルネスが単なる健診代行会社ではなく、
「企業の健康管理インフラを提供する会社」
へ変わっていける可能性があるからです。
Growbaseにはスイッチングコストがある
私は成長株を見る時に、Moat、つまり経済的な堀をかなり重視しています。
Growbaseには、その一つであるスイッチングコストが存在すると考えています。
健康管理システムには、従業員の健康情報が継続的に蓄積されていきます。
さらに人事部門や産業保健スタッフの業務フローそのものがシステムに組み込まれていきます。
一度導入すると、
別システムへの移行
データ移行
社員教育
運用変更
などが必要になります。
つまり、
導入後は簡単に他社サービスへ乗り換えにくい。
これはSaaSビジネスとしてかなり重要です。
顧客が増えるだけでなく、解約率を低く維持できれば、ストック型収益が積み上がります。
健診事業とSaaSの組み合わせも面白い
ウェルネスの強みは、最初からSaaSだけを販売している会社ではない点です。
既に健診ソリューションを通じて企業との接点があります。
そこにGrowbaseを販売できます。
つまり、
健診業務で顧客を獲得
↓
健康データを管理
↓
クラウドサービスへ展開
というクロスセルが可能です。
これは新規顧客をゼロから獲得するSaaS企業よりも、顧客獲得コストを抑えられる可能性があります。
既存事業がSaaS成長の販売チャネルになっている点は、ウェルネスの隠れた強みだと思っています。
直近決算もかなり良い
2027年3月期第1四半期は、
売上高 32.43億円
営業利益 2.08億円
純利益 1.55億円
でした。
前年同期は、
売上高24.92億円
営業利益1.19億円
純利益0.72億円
です。
つまり、
売上は約30%増
営業利益は約75%増
純利益は約2倍
というかなり強いスタートになっています。
特に評価しているのは、
利益の伸びが売上の伸びを大きく上回っていること。
単純な売上成長ではなく、利益率改善を伴う成長になっています。
また、ウェルネスは健診の受診時期による季節性があり、第1四半期は比較的弱くなりやすい会社です。
その第1四半期でこれだけ利益を伸ばしたことはポジティブに見ています。
高成長なのに、まだ極端な割高感はない
私が個別株で狙っているのは、
「良い会社」ではなく「良い会社を妥当以下の価格で買うこと」
です。
どれだけ成長率が高くても、PER50倍ならなかなか手が出ません。
一方、ウェルネスは現時点では、業績成長に対して極端な高バリュエーションではないと見ています。
私が成長株で重視しているのは、
EPS成長率
PER
ROE
営業利益率
Moat
TAM
です。
ウェルネスはこの中でも、
TAM
Moat
利益成長
の3つが特に強いと評価しています。
今後EPSが継続的に伸びれば、現在の株価水準にはまだ上値余地があると考えています。
M&Aで「人的資本」領域へ
もう一つ注目しているのが、あしたのチームの子会社化です。
あしたのチームは、人事評価制度の構築・運用支援などを手掛けています。
一見、
「健康管理の会社がなぜ人事評価会社を買うのか」
と思います。
ただ、方向性としては理解できます。
ウェルネスはこれまで、
従業員の健康
を扱ってきました。
そこに、
人事評価
エンゲージメント
人的資本
という要素を加えていく。
つまり、
健康管理会社から人的資本経営支援会社へ
事業領域を広げようとしていると考えられます。
あしたのチーム買収は「期待」と「リスク」の両方
もちろん、M&Aは必ず成功するわけではありません。
あしたのチームは買収前に減収減益で推移しており、債務超過でもありました。
そのため、この買収については私も慎重に見ています。
ウェルネスのIRにも確認しました。
個別の業績数値は非開示でしたが、
「現時点では概ね当初計画していた水準の収益力で推移している」
との回答でした。
また、
- ガバナンス強化
- 営業体制の見直し
- コスト最適化
- 共同サービスの開発・販売
- ウェルネスからの役員派遣
など、PMIを進めているとのことです。
2026年7月には、
「おまかせ健康管理」
「かんたんストレスチェック」
といった共同サービスも開始しています。
ここはポジティブです。
ただし私は、まだこのM&Aを「成功」と評価しているわけではありません。
本当に見たいのは利益への貢献
M&Aは、
商品を作った
商談が増えた
だけでは成功とは言えません。
最終的には、
契約
↓
売上
↓
利益
↓
EPS
までつながる必要があります。
特にウェルネスの場合は、
あしたのチームの中堅・中小企業向け顧客基盤を使って、Growbaseや健康管理サービスを販売できるか。
ここが重要です。
もしこれが機能すれば、
大企業中心だったウェルネスが、中小企業市場までTAMを拡張できる
可能性があります。
私はここをM&Aの最大のアップサイドだと見ています。
一方で、資金支援は監視する
あしたのチームについては、ウェルネスから「資金の援助」が行われています。
IRによると、グループ経営を円滑に進める目的とのことですが、具体的な金額や内訳は非開示です。
ここは今後も確認します。
少額の一時的な支援なら問題ありません。
一方で、
継続的に多額の資金を投入しなければ事業を維持できない
という状態なら、投資評価は変わります。
したがって今後は、
営業キャッシュフロー
貸付金
保証債務
クラウド事業利益率
なども確認していきます。
ウェルネスの弱点は何か
投資対象として魅力的ですが、当然リスクもあります。
一つは健康診断関連事業への依存。
SaaS比率が上がっているとはいえ、まだ健診ソリューションが大きな事業です。
ここから本当にクラウド比率を高められるかが重要です。
二つ目がM&Aリスク。
あしたのチームのPMIが想定通り進まなければ、利益成長を押し下げる可能性があります。
三つ目が小型株特有の流動性です。
業績が良くても、市場環境によっては株価が大きく振れる可能性があります。
そして四つ目が、
成長期待が株価に織り込まれた後のバリュエーション
です。
今後株価だけ先行して上がる場合には、良い会社でも買い増しを止めます。
私の投資仮説
ウェルネスへの投資仮説は、かなりシンプルです。
健康経営市場が拡大する
↓
健診ソリューションが安定成長する
↓
Growbaseの契約が積み上がる
↓
クラウド売上比率が上昇する
↓
営業利益率が上昇する
↓
あしたのチームとのクロスセルでTAMが広がる
↓
EPSが継続的に成長する
という流れです。
ここまで実現すれば、企業価値は現在よりかなり大きくなる余地があると考えています。
今後見るべき5つの数字
今後の決算では、特に以下を確認します。
① 売上・営業利益成長率
売上成長だけではなく、営業利益がそれ以上に伸びているか。
② Growbaseの成長
契約企業数、NRR、ARPUなど、ストック型事業が順調に積み上がっているか。
③ クラウド事業の利益率
SaaS比率上昇によって全社利益率が改善していくか。
④ あしたのチームのPMI
クロスセルが実際の売上・利益に転換しているか。
⑤ 営業キャッシュフロー
会計上の利益だけではなく、キャッシュを伴った成長になっているか。
まとめ:地味だが、かなり面白い割安成長株
ウェルネス・コミュニケーションズは、話題性の高い会社ではありません。
しかし私は、
健康経営という成長市場
安定した健診事業
GrowbaseというSaaS
スイッチングコスト
高い利益成長
人的資本市場へのTAM拡大
という組み合わせを評価しています。
現在私は、
2,000株・平均取得単価1,037円
で保有しています。
現時点では売却するつもりはありません。
むしろ今後、
Growbaseの成長
クラウド利益率の上昇
あしたのチームとのクロスセル
が数字として確認できれば、投資評価をさらに上げる可能性があります。
逆に、
利益成長が止まる。
クラウド事業の成長が鈍化する。
あしたのチームへの資金支援が膨らむ。
このような状況になれば、投資仮説を見直します。
私にとってウェルネス・コミュニケーションズは、
「健康経営×SaaS×人的資本」という成長ストーリーに対して、現在の株価がまだ完全には織り込んでいないのではないか
という視点で保有している銘柄です。
派手さはありません。
ただ、こういう地味な成長企業を比較的割安な段階から保有し、2〜3年かけてEPSの成長を待つ。
これが私が狙っている投資の形に近いと思っています。
※本記事は筆者個人の投資記録・見解であり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。

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