私は現在、GENDA(9166)を6,000株保有しています。
平均取得単価は748円。投資額にすると約449万円です。
私のキャピタルゲイン狙いのポートフォリオの中でも、かなり大きなポジションです。
最近、私の個別株投資の基準はかなり明確になってきました。
- Moat(競争優位性)が深い
- TAM(市場規模)が構造的に成長している
- EPSが継続的に10~20%以上成長する
- それなのにPERが10~20倍程度と割安
- ROE15%以上
- 営業利益率10%以上
こういう企業が私の理想です。
ただ、GENDAはこの条件をすべてきれいに満たす会社ではありません。
むしろ、まだ完成していない会社だと思っています。
それでも私が大きなポジションを取っているのは、今後数年間でGENDAの利益と株式市場からの評価が大きく変わる可能性があると考えているからです。
特に私が注目しているカタリストが、
① IFRSへの移行
② 北米事業の改善
の2つです。
今回は、なぜ私がGENDAを6,000株保有しているのか、自分自身の投資仮説を整理してみたいと思います。
GENDAは何をしている会社なのか
GENDAというと、「GiGOの会社」というイメージを持っている人が多いと思います。
ゲームセンターを運営している会社ですね。
ただ、私はGENDAを単なるゲームセンター運営会社として見ていません。
GENDAの特徴は、エンターテインメント企業を次々とM&Aし、それらをグループに取り込みながら成長させていくロールアップ型の経営モデルにあります。
アミューズメント施設だけでなく、カラオケ、映画、飲食、キャラクター・コンテンツ関連などへ事業領域を広げています。
さらに現在は北米にも本格的に進出しています。
つまり、
「ゲームセンターを増やす会社」
というより、
「M&Aを使って世界のエンターテインメント市場を取りにいく会社」
と考えた方が、GENDAの本質に近いと思っています。
カタリスト① IFRSへの移行
GENDAを見るときに理解しておきたいのが「のれん」です。
GENDAはM&Aを繰り返しています。
企業を買収すると、買収価格と対象企業の純資産との差額などが「のれん」として計上されます。
日本の会計基準では、こののれんを一定期間にわたって償却していきます。
つまりGENDAのようにM&Aを続ける会社では、
M&Aをする
↓
のれんが増える
↓
のれん償却費が増える
↓
会計上の利益が小さくなる
↓
EPSが低く見える
↓
PERが高く見える
ということが起こります。
これはGENDAを見るうえで非常に重要です。
IFRSになると「のれん償却」がなくなる
GENDAは、2027年1月期第4四半期からIFRS(国際会計基準)を適用する予定です。
IFRSでは、日本基準のようにのれんを毎年定額で償却することはありません。
もちろん、IFRSへ変更したからといって、GENDAの事業が突然良くなるわけではありません。
キャッシュフローが突然増えるわけでもありません。
しかし、株式市場から見たGENDAの「利益の見え方」はかなり変わります。
これまで、
「GENDAはPERが高いから買えない」
と思っていた投資家が、
「IFRSベースの利益で見ると、意外と安いのでは?」
と考える可能性があります。
私はこれを、GENDAのPER正常化のカタリストとして見ています。
カタリスト② 北米事業
ただし、私がIFRS以上に重要だと思っているのが北米事業です。
IFRSはあくまで「利益の見え方」を変えるものです。
一方、北米事業の改善は、実際の利益を増やす可能性があります。
GENDAはM&Aによって北米に大きな事業基盤を作りました。
北米には「ミニロケ」と呼ばれるゲーム機設置拠点を約12,000カ所保有しています。
ただし、現時点では北米事業が順調とは言えません。
2027年1月期1Qでは、北米の調整後EBITDAや調整後純利益が計画を下回りました。
会社も北米事業の通期見通しを下方修正しています。
これは当然、リスクとして見ています。
それでも北米に期待している理由
私が面白いと思っているのは、GENDAが単純にアメリカのゲーム機運営会社を買収したわけではないことです。
GENDAには日本で培ってきた、
ゲームセンター運営ノウハウ
があります。
さらに、
日本のアニメやキャラクターなどのIPとの関係
があります。
そして北米には、
約12,000カ所のゲーム機設置拠点
があります。
これらを組み合わせると、
日本IPの調達力
×
北米12,000拠点のDistribution Network
というビジネスが成立する可能性があります。
例えば、日本で人気のアニメやキャラクター景品を北米のミニロケへ大量に投入する。
北米で日本IPの人気がさらに高まれば、GENDAが持つ拠点網そのものの価値が上がります。
私はここにかなり期待しています。
GENDAのTAMはかなり大きい
最近、私は株式投資で**TAM(Total Addressable Market)**をかなり重視しています。
どれだけ強いMoatを持っていても、その会社が戦っている市場そのものが成熟していれば、高成長を長期間続けるのは難しいからです。
その点、GENDAは面白い会社です。
GENDAが狙っているのは、日本のゲームセンター市場だけではありません。
アミューズメント、カラオケ、映画、コンテンツなどを含むエンターテインメント市場全体。
さらに北米をはじめとする海外市場があります。
しかもGENDAの場合、M&Aによって新しい市場へ参入できます。
つまり、
既存市場の中でシェアを奪う
だけではなく、
M&Aによって自分たちのTAMそのものを広げていく
ことができます。
これはGENDAの大きな魅力だと思っています。
一方で、GENDAのMoatはまだ完成していない
ここは冷静に見ています。
私が保有している他の銘柄と比較すると、現時点でGENDAに圧倒的なMoatがあるとは考えていません。
例えばゲームセンターには、SaaSのような強烈なスイッチングコストはありません。
消費者はGiGOから他社のゲームセンターへ簡単に行くことができます。
だから、GENDAのMoatは「すでに完成している」というより、これから作られていく可能性があるものだと考えています。
私が期待しているのは、
M&A能力
+
買収後のPMI能力
+
日本IPの調達力
+
巨大な店舗・ミニロケネットワーク
です。
これらが組み合わされることで、他社が簡単には真似できないエンターテインメント・プラットフォームになれるかどうか。
ここがGENDAを長期保有するうえで非常に重要だと思っています。
GENDAは売上ではなくEPSを見る
GENDAのようなM&A企業を見るとき、私は売上高の成長率だけでは判断しないようにしています。
理由は簡単です。
会社を買えば売上は増えるからです。
例えば、利益が50%増えても、新株発行などによって株式数が50%増えてしまえば、既存株主にとって1株当たりの価値はほとんど増えていません。
だからGENDAで重要なのは、
EPS(1株当たり利益)が増えているか
です。
GENDA自身もEPSを重要なKPIとして位置づけています。
私は今後、
「M&Aを何件やったか」
ではなく、
「M&Aをした結果、1株当たり利益がどれだけ増えたのか」
を重視して見ていくつもりです。
私が考える3年後のGENDA
ここからは完全に私個人の予想です。
会社予想ではありません。
GENDAの3年後について、私は大きく3つのシナリオを考えています。
弱気シナリオ
北米事業の改善が遅れ、M&Aによる利益成長も鈍化。
EPSを70円程度と仮定します。
PER10~12倍なら、
株価700~840円程度。
現在とそれほど変わりません。
基本シナリオ
北米事業が正常化。
国内事業も成長し、M&AによるEPS成長も継続。
IFRS移行によってGENDAの実態利益も市場に理解されるようになる。
私はこの場合、
EPS90~100円
程度を想定しています。
PER16~18倍なら、
株価1,440~1,800円程度。
これが現在の私の基本シナリオです。
強気シナリオ
北米事業が想定以上に成功。
日本IP×北米拠点というビジネスモデルが確立。
M&AもEPSを希薄化させずに継続。
市場から「日本のゲームセンター会社」ではなく、「グローバルEntertainment Platform」と評価されるようになる。
EPS120円。
PER20倍なら、
株価2,400円程度。
もちろん、かなり強気のシナリオです。
ただ、私は全くあり得ない数字だとは思っていません。
最大のリスクは北米事業
逆に、私がGENDAで最も警戒しているのも北米です。
現在の北米事業の低収益が、
統合費用
商品入れ替え
PMI
などによる一時的なものであれば問題ありません。
しかし数年経っても利益が出なければ、
「先行投資だから利益が出ていない」
のではなく、
「そもそも北米事業のUnit Economicsが良くなかった」
ということになります。
そうなれば、私のGENDAへの投資仮説はかなり崩れます。
だから私はGENDAについて、株価よりも、
北米売上
北米Adjusted EBITDA
北米Adjusted純利益
日本IP景品への入れ替え効果
を追っていくつもりです。
なぜ私はGENDAを6,000株持っているのか
私のGENDAの平均取得単価は748円。
6,000株なので、投資額は約449万円です。
私のキャピタルゲイン狙いのポートフォリオでは最大級のポジションです。
決してリスクの低い投資だとは思っていません。
それでも大きなポジションを取っている理由は、
「EPSを上げるカタリスト」と「PERを正常化させるカタリスト」が同時に存在している
からです。
北米事業の正常化は、
EPSを上げる可能性
があります。
IFRSへの移行は、
PERの見え方を変える可能性
があります。
つまり、
EPS上昇 × PERリレーティング
の両方が同時に起こる可能性があります。
私はここに投資しています。
まとめ:GENDAは「完成した優良企業」への投資ではない
私が最近好んでいるのは、
Moatが深い
TAMが成長している
EPSが10~20%以上成長する
PER10~20倍程度
ROE15%以上
営業利益率10%以上
という企業です。
GENDAは、この条件をすべてきれいに満たす銘柄ではありません。
むしろ、
巨大なTAM
+
M&A
+
北米展開
+
これから形成されるMoat
+
IFRS移行
という、少し不確実性の高い投資です。
だからこそ、アップサイドも大きいと考えています。
今後、
北米の利益改善
と
EPSの継続成長
が確認できれば、私は保有を続けます。
逆に北米の赤字が続き、M&AをしてもEPSが伸びない状態になれば、株価に関係なく投資仮説を見直します。
株価が上がったから持つ。
株価が下がったから売る。
ではなく、
「自分が何に投資しているのか」を明確にして、その投資仮説が正しいのかを決算ごとに確認する。
個別株投資では、これを大切にしていきたいと思っています。
- ※本記事は筆者個人の投資記録・考察であり、特定の金融商品・銘柄の売買を推奨するものではありません。記載した将来のEPS・PER・株価等は筆者個人の試算であり、将来の株価や業績を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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